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アルミの削り方について

2018.12.6
column

こんにちは!

美岳製作所の山田です!

今回の記事は、切削加工の職人直伝!アルミの削り方!!

・・・少し偉そうなタイトルでごめんなさい。

美岳製作所で、アルミを切削加工する時に気を付けていることを記事にしてみようと思ったので

記事にしてみようと思います。

 

アルミというと、切削加工をしやすく、航空関係や医療関係での複雑形状のモノが多いイメージを持たれている

人が多いと思います!

 

確かに、ステンレスなどに比べると工具の突き出し量が長くても、比較的切削加工できる、削れてくれるのが

アルミニウムです。

上記の画像のような、アルミの型などのような、CAMを使用して切削するような3D形状のモノが多いと思います。

そして、工具もSUSなどの材質に比べて、お財布にやさしい値段の工具で切削加工ができるケースが多いです。

 

しかし、アルミといってもアルミには種類がたくさんございます

A5052、A5056、A2017、A7075、ADC12など、

代表的な材質からまだまだたくさんございます。

それぞれの材質に合わせた切削した後の変形具合や、切削条件を変更していかなければ

切削加工時間や、製品面の綺麗さにつながってきません。

 

 

アルミは切子が絡みやすく、切れ味の良いドリルやエンドミルを使うことをお勧めします。

特にタップ工具が一番わかりやすいのではないのでしょうか。

鉄用のタップ工具でアルミを削ろうとすると、かなりの確率でタップ工具は折れてしまいます。

鉄用のタップ工具に比べてアルミ用のタップ工具は切れ味が良い上に切子を逃がすようなタップ工具の形状になっています。

つまり、鉄用のタップ工具よりも逃がしてある工具になっているんです。

 

アルミだからといって、製品の厚みが薄くなると大変厄介なことになります。

何が厄介かというと、製品がビリやすいです。

製品面が工具の切削する力に耐えきれず、振動してしまうため、ビリが生じます。

そして、鉄やステンレスに比べてアルミは力に弱く、万力などのクランプする力によってつぶれてしまう事があります。

薄物加工で、三次元形状などの時はクランプする方法を考えなければいけないパターンが非常に多いです。

 

上記の画像の製品は、四角になっている部分で厚みが2ミリ!

当然、万力でクランプしてしまうとクランプする力によってできる歪み、

最悪の場合、切削している時に工具の抵抗に耐え切れず、吹き飛んでしまう可能性もゼロではございません。

 

切削加工の手順としては、NC旋盤にて凸形状と真ん中の穴あけ加工をします。

真ん中の穴を利用して、ボルトを一本にて締めて四角形状部分に捨てタップとして、

タップ加工をします。真ん中のボルト一本だけで締めるので抵抗に弱いです。

なので、抵抗の少ない切れ味の良いドリルやアルミ用のタップ工具を使用することが鉄板です。

また、捨てタップは穴あけの抵抗を少なくする為にできるだけ小さめにしとくことがポイントです。

 

捨てタップを利用して、土台となる冶具に穴あけをして、

ボルトで製品を引っ張れば、抵抗に強く、変形もしにくいので

ボルトで製品を引っ張るという冶具は、基本でもあり、しっかりと固定できますので

美岳製作所ではよく使うポイントの一つです。

 

 

美岳製作所では、複雑な形状をした切削加工もチャレンジしております!

最小R0.3などの小さいRのある三次元形状の製品もしっかりと対応させていただいております。

弊社では、複雑な三次元形状の場合、縦型マシニングセンタで切削加工をすることよりも

同時5軸加工機で切削加工をしています。

 

なぜ、5軸加工機で切削加工をするのか?

ずばり、加工時間の短縮が大きい事や、切削面が綺麗に削れることです。

最小Rが小さくなればなるほど、工作機械による切削加工時間は変化は大きいポイントなので

弊社では三次元形状は5軸加工機にて切削加工をしている事が多いです。

 

 

弊社はワイヤーカット放電加工機も持ち合わせておりますので、

ワイヤーカットで使用するワイヤーによってR0.125がついてしまいますが

最小Rが小さく、厚みがある製品でも、ワイヤーカット放電加工機で

しっかりと対応しております!!

 

ワイヤーカット放電加工機の強みとしては、ほぼ、ピン角の状態まで出せることです。

エンドミルの半径に比べられないほどワイヤーカットの細さは素晴らしいです。

デメリットとしては、ワイヤーも消耗品な事や加工時間がエンドミルに比べて時間がかかることです。

しかし、エンドミルでワイヤーカットの細さまで切削加工できるかといえば、アルミの厚みがあればあるほど不可能に

なってきますので、工具Rが小さいときは、ワイヤーカットの方が加工時間が速い事が多いです。

今回はアルミを記事タイトルにさせていただきましたが、

美岳製作所はアルミ専門の加工屋ではございません。

鉄、SUS、焼き入れ鋼、鋳物、樹脂まで対応しています。

その中で、アルミについて少しお話させていただいておりますので

ご安心ください!アルミ以外の材質もしっかりと対応させていただいております!

何かお困りの事がありましたら、お問い合わせくださいませ。

 

 

 

 

 

美岳製作所 山田

 

 

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